寒い

季節は着々と過ぎていくんだと、改めて思いながら、人生でまだ何度目かだけどでもだんだん増えていく別れを前に、そのことばかり考えたり、また考えなかったり、まだ実感がわかなくて、一人で道を歩いていると勝手な想像力で胸がグニャリと捻られる。無力。

先月のお別れのとき、人はみんな同じように、その時を迎えるんだって、みんな同じで全然他人事じゃないんだって今、身を持ってここにいる人から理解しなさいと、お寺さんが言っていたけど、どっかでは分かる。どっかではまだ全然分からない。私よりもっと寂しい人達がいるんだからと思って、思うから感情が出てこないように押し込んだ先月のことを、このお別れを前にまた思ってしまったりしているのはよがりかとか。大事な人に何も助けられないから、ひたすら祈る。