終わる

11月が、そして、今年が終わってしまう。足首がキンキン冷える季節が来てしまって、普通に座っているだけでキンキン足首が痛いくらい。ものすごい冷え性です。年のせいかな、これは。しょんぼりしょんぼり情けない状態が続いていて、どんどん気弱かつ所在無いことになって。

こういう時って、物事のジャッジ力が揺らぐので、今それ違うだろうって言うようなことしかできなくなって、後に落ち込んではまた似たようなことになっている気がします。先日、シアタートラムで安部公房作「友達」の上演を観た。演出は岡田さん。昔から好きだった作品だったのだけど、演出の効果とか今の自分の状態と相まって、全然違う印象に見えた。「迷いっ子はよくないわ」と次女が何度か言っていたけれど、あの、自称「ちぎれた首飾りの天使」たちが悪魔のようにも天使のようにも見えた。人がたくさん一緒にいればそれが一人ではないということになるのか、そういう押し付け家族を「すばらしい!」と賞賛していた婚約者の兄は、何に飢えている人だったのか。見てない方には何のことやらですが、思いを馳せたのでした。

三月の公演の本読みをした。お芝居に取り組むことはその最中は楽な時間ではないけれども、やっぱり目の前に作品があり、誰かと共有しながら空間を味わっていくことは、私にとってかけがえがないと思ったりした。本読みをしただけですが。今がそんなに大変なときではきっとなくて、もっと大変なこともきっとある。美味しいものを食べたりしている時間を嬉しいと思えるうちは、大丈夫なんだよと、ご飯を食べながら思ったりした。